文章が「読みやすい」と感じる行の長さについて考えたことはありますか? 英語のタイポグラフィでは、**「1行は50〜75文字が最適」**というルールをよく耳にします。
しかし、日本語では事情が少し違います。日本語は全角文字を使用し、単語間にスペースがなく、さらに縦書き文化の影響もあるため、最適な行長(CPL: Characters Per Line)は英語よりもかなり短くなります。
この記事では、デスクトップ・タブレット・スマホそれぞれでの英語と日本語の最適な行長を比較し、なぜ違いが生まれるのか、文章設計で気をつけるポイントなどをわかりやすく解説します。最後には一覧チャートもご紹介するので、良ければ最後まで読んでみてくださいね。
⚠️ ご参考までに:
本記事で紹介している行長(CPL)の目安は、一般的なUXガイドラインや読みやすさに関する研究、英語・日本語タイポグラフィの業界基準を参考にしています。ただし、最適な行長はフォントや文体、デバイス、文章の種類(UIテキスト、記事、キャプションなど)によって変わります。ここで示した数値はあくまで目安として参考としてお使いください。
行の長さが大切な理由は?
行の長さは読みやすさや読み心地に大きく影響し、目の動きから理解度までさまざまな要素を左右します。
💡 行が長すぎると…
• 視線の移動距離が長くなり疲れやすい
• 次の行に戻る時に迷子になりやすい
• 読み飛ばしが増え、理解度が下がる
➡️ など、特に大きな画面では、これが読み疲れの原因になってしまいます。
💡 行が短すぎると…
• 箇条書きを読んでいるようにテンポが悪くなる
• 行送りが多く、集中しづらい
• 読み心地にリズムが出ない
➡️ 短い行は見出しや詩、キャプションなどには向いていますが、長文の読書には不向きです。
💡 それでは、「ちょうど良い」行長とは?
• 視線移動が自然でスムーズ
• 情報が適切なかたまりで入ってくる
• 読んでいてストレスや負担を感じない
• 長文でも読み続けたくなる
➡️ だからこそ、CPL(1行あたりの文字数)は文字組みの中でも特に重要でありながら、見落とされがちな要素なのです。
おすすめの1行あたりの文字数(CPL)を比較していきましょう。
これらが最適とされる英語と日本語の文字数の目安になります:
英語:
英語は文字幅が狭く、単語間にスペースがあるため、ある程度長い行でも負担なく読めます。
1. デスクトップ: 50 - 75 文字
2. タブレット: 45 - 65 文字
3. スマホ: 30 -50 文字
日本語:
日本語は1文字の情報量が多く、視覚的にも密度が高いため、短めの行が読みやすい傾向があります。
1. デスクトップ: 30 - 40 文字
2. タブレット: 20 - 30 文字
3. スマホ: 13 - 20 文字(詩や字幕ならさらに短め)
なぜ英語と日本語で最適行長が違うのか?
1. 情報密度の違い
1つの漢字には複数の意味が含まれ、英単語に換算すると数文字〜10文字以上になることも。
Example:
• "国"= "country" (7 letters)
➡️ 日本語は少しの文字数でも「情報量」が多いため、長い行は負担が大きくなります。
2. スペース(空白)の有無
英語は単語ごとにスペースがあり、自然な区切りが生まれます。
日本語はスペースなしで続くため、長い行だと「どこで区切れるのか」が視覚的に掴みにくくなります。
3. 縦書き文化の影響
書籍、新聞、雑誌などでは今も縦書きが一般的です。縦書きは必然的に短い行になるため、「短い行に慣れている」文化的背景があります。
4. 読みのリズム・テンポ
日本語の文章は、短いフレーズで区切るほうが読みやすい場合が多いです。特に字幕や歌詞、詩では 7〜12文字 がリズム良く感じられることが多いです。
5. フォントデザインの違い
ラテン文字は1文字ごとに幅が大きく異なりますが(例:Wとi)、日本語は全角文字でほぼ統一されています。→ 同じ行幅でも日本語は「ギュッと詰まって」見えやすいという違いがあります。
ライター・デザイナー向け実践ポイントはこちら!
1. デバイスに合わせて行長を調整
• 英語(PC向け記事): 50 - 75 CPL
• 日本語(PC向け記事): 30 - 40 CPL
• 日本語はスマホで特に短くする: 13 - 20 CPL
行が視覚的に重く感じる場合は、読みやすさが戻るまで行幅を少しずつ狭めて調整する事もお勧めします。
2. 行間(line-height)も大事
• 英語: 1.4–1.6
• 日本語: 1.6–1.8 (全角文字は余白を広めにすると読みやすい)
3. フォントのクセを確認
日本語フォントは、字面が密だったり筆画が太かったりするため、行が重く見えることがあります。軽めのフォントを使うと、行がやや長くなっても読みやすさを保つことができます。
• ゴシック体は密度が高く見えやすい
• 明朝体は行長が少し長くても読みやすい
• 行長は「見た目」で微調整するのがポイント
4. コンテンツの種類で最適行長が変わる
• UI:短い
• キャプション:短い
• 記事・ブログ:中くらい
• 詩・字幕:とても短い
➡️ 目的に合わせて行幅を調整しましょう。コンテンツの種類によって最適な行長(CPL)は変わります。
5. 英語+日本語混在レイアウトは要調整
• それぞれ別の max-width を用意
• 無理に同一レイアウトに合わせない
• バイリンガルサイトでは言語別に最適化するのが理想
6. テストは「本物の文章」で
日本語ダミーテキスト(あいうえお…)は見た目が薄いので、実際の文章とは印象が違います。
日本語のダミーテキストは、実際の文章よりも密度が低く見えることが多く、レイアウト判断を誤らせる原因になりがちなので、気を付けましょう。
CSS サンプルコード
<style>
/* 英語の記事レイアウト*/
.article-en {
font-size: 16px;
line-height: 1.5;
max-width: 66ch; /* ~66 characters per line */
margin: 0 auto;
}
/* 日本語の記事レイアウト*/
.article-ja {
font-size: 16px;
line-height: 1.6;
max-width: 35ch; /* desktop */
margin: 0 auto;
}
@media (max-width: 900px) {
.article-ja {
max-width: 25ch; /* tablet */
}
}
@media (max-width: 480px) {
.article-ja {
max-width: 16ch; /* mobile */
}
}
</style>
The ch 単位を使うと、フォント幅に応じて行長をきれいにコントロールできます。
終わりに
「読みやすい行長」は、言語とデバイスによって大きく異なります。
🌟英語 : デスクトップでは 50 - 75 文字が自然
🌟日本語 : 30 - 40 文字で十分、スマホや詩はさらに短く
これらの違いを理解しておくことで、英語・日本語どちらの読者にとっても快適で、ストレスのない読み体験を提供できます。よかったら参考にしてみて下さい。今回も、最後まで読んで頂いてありがとうございます。また、次のブログでお待ちしております。